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新・長崎駅

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〜「新・長崎駅」〜

長崎らしさがたっぷり!
新たなランドマーク!

この方にお話をうかがいました!

岩﨑千弘さん

アミュプラザ長崎に店舗を構える株式会社コールベックのスタッフ。入社7年目。アミュプラザ店に勤務して4年目。県外から長崎へ、人を呼び込むための盛り上がりがあればと考えている。新しい長崎駅に期待するとともに、浜の町にある系列店舗と連動した、人が周遊する仕掛けを模索中。

高尾忠志さん

九州大学で景観まちづくりを専門とした特任准教授。2013年度に長崎市景観専門監に就任、長崎駅周辺整備以外にも、新市庁舎の建て替えや出島表門橋、稲佐山電波塔、平和祈念像のライトアップなど長崎市の公共事業全体の景観デザイン面の監修を行っている。

山川公三さん

長崎市職員、長崎駅周辺整備室所属。道路や広場を整備することで、まちの区画をかたちづくる土地区画整理事業に携わる。

大きく変化しようとしている長崎駅。

岩﨑
今、駅は、大きく変わっていってますよね。もっと賑わう場所になればいいなと期待してはいるんですが、どうして今のタイミングなんでしょうか?

山川
いくつかの要因はあると思いますが、やっぱり新幹線が長崎にやってくることが大きいと思います。
新幹線の開通に伴って駅の位置が変わる状況で土地の整備が必要になったんです。土地のレイアウトを決めていく中で、周辺の市街地への波及も考えて整備を行うようになりました。
なので、新しい長崎駅舎だけでなく駅の周辺も開発が進められているんですよ。
出島メッセ長崎がこの秋に開業しますが、そうなると県外はもちろん、海外からも多くのかたが長崎を訪れるようになると予想されますよね。さらに、新幹線の開業で都市としての魅力も向上すると思うんです。
そんな交流都市長崎にふさわしい魅力あるまちなみ景観と機能的な都市空間をつくろうと、景観デザインを高尾先生に監修していただいています。

高尾
魅力あるまちなみ景観をつくるために「長崎らしさ」を大切にしています。
長崎駅の特徴の一つは、線路が行き止まりになっていて、ホームがくし形になっている頭端駅であるということ。これは鉄道の駅の中ではかなり珍しいケースです。さらにその先には港が見えるといった絶好のロケーションがあり、「長崎港を臨むおおらかな長崎駅」を念頭に置いた駅舎のデザインとなっています。
例えば、新幹線のホームに降りて南側に海があるんですが、実はその方向には長崎県庁と長崎県警察本部もあります。それらの建物はホームから港の景観の邪魔にならないように調整されていて、駅から見て右手に県庁が、左手に警察署が位置するように、そして真ん中に港と女神大橋が見えるように事前に建てられているんです。もう一つ、出島メッセ長崎は、ホームから見て稲佐山方面に建設されますが、これも建物の上に稲佐山が浮かんで見えるように計算されているんです。長崎はよく円形劇場と言われますが、港があって山に囲まれている全体の風景が感じられるつくりなんですね。
そして、通常だと新幹線と在来線の駅舎は分けてつくるものなんですが、長崎駅ではそれらを一体的にして、訪れたかたに「長崎に来た」ことを印象深く感じてもらえるようにしています。

山川
長崎市では夜景もまちづくりの資源として大切にしていて、駅舎のライトアップに関しても工夫しています。

高尾
駅舎の屋根天井は膜材で、ホームからアッパーライトを当てるようにしています。これにより、稲佐山などから見ると長崎駅が優しい幻想的な光に包まれて、一層綺麗に見えますよ。
長崎市は、夜間景観の向上に対してはかなり力を入れていて、ここ3年間で約50箇所くらい夜景スポットのリニューアルを行っています。駅舎だけでなく、新しく建てられる駅ビルや出島メッセ長崎など、駅の周辺もまちに溶け込むようなライティングが計画されていますので、長崎駅は昼だけでなく、「夜も行ってみよう」というスポットになると思います。

岩﨑
駅ビルで働くスタッフには資料が配られていて、「こういうものができる」程度のことは知っていたんですが、そんなに深いところまで考えられていたとは知りませんでした。特に、夜間景観の話は興味深いです。今までは、「夜に長崎駅に行こう」とはならなかったんですが、ライトアップされた長崎駅は見てみたいですね。

市民の皆さんの日常的な憩いと楽しみの空間となる新しい長崎駅。

山川
ぜひたくさんの人に来ていただきたいと思っていますし、来ていただきやすくなるように市民の皆さんが使いやすい空間になるように整備を進めています。 新しい長崎駅には東口と西口の2つの出入り口ができますが、それぞれに東口広場、西口広場といった駅前広場をつくる予定です。芝生を敷いたり、ベンチを置いたり、訪れた人がくつろげる空間になればいいなと思います。

山川
イベントなどができる多目的広場の隣には、JR九州による新しいかもめ広場もできます。それぞれ呼び方は異なりますが、2つの広場が合わさって、1つの大きな広場になっていますので、一体的な運用ができやすくなるように関係者と調整を図っているところです。

岩﨑
お昼の休憩もできそうですし、ベンチでランチも気持ちよさそうですね。
今、お昼は店舗のバックヤードでとっているので、広場ができたら必ず行きます(笑)。
また、現在アミュプラザ長崎を利用されるお客さまは若いかたが多くて、ファミリー層は比較的少ない印象です。その理由に、小さなお子さまを遊ばせる場所や休憩する場所がないからといった声を聞くこともあるんですが、広場ができるとお子さま連れでも利用できやすくなりますし、客層も広がりそうですね。
ただ、広場ができることは嬉しいんですが、駅のホームに関しては「遠くなった」という声を聞くこともあります…

山川
駅までの距離を「ただ歩く」だけだったら、遠いと感じるかたもいらっしゃるかもしれません。なので、歩く時間も楽しんでもらえるように様々な取り組みを考えているところです。

高尾
その1つに、国道から改札口の近くまで、街路樹を植えたプロムナードをつくります。街路樹が印象的な通りは長崎にはなかなかありませんし、新しい駅ビルにも面しているので、その賑わいも漏れてきて歩いていて気持ちのいい道になると思います。
もう1つ、このプロムナードと並行して、国道まで続く幅10mの屋根付きの道もつくります。これは雨に濡れずに歩けるという利点があるだけではなく、幅を広くとっているので、屋根の下にお店が点在するマルシェのような使われ方もできるかもしれません。
また、新しい駅ビルの中を通って新しいかもめ広場に抜けるような道もJR九州に考えていただいています。

交流が生まれ、あらゆるエリアへの波及を期待。

山川
そうやってたくさんの人に来ていただいて、楽しんでもらって、そこから市民同士、市民と来訪者との交流につなげていきたいと考えています。
新しい長崎駅がいろんな人を巻き込んでいく拠点になればいいなと思っているんですね。

高尾
まさにそれこそが最も大切なことで、交流人口の拡大というのは、まちづくりを考える上でとても重要なんです。新幹線が来たからって、まちが元気になるとは限らないんです。地域次第なんですね。
先ほど話した3本のプロムナードも、「楽しく歩く」というねらいもありますが、それはすなわち「国道まで出やすくする」ことでもあるんですね。
二次交通との接続を良くすることで、駅からまちなかに行きやすくすることはできるんですけど、まちなか側からも呼び込んでもらうような両方の動きがないと、活性化は成立しないと思います。

山川
長崎に来たのはいいけど、その時まちなかに何があるのか、行われているのかがわからないと動きにくいですよね。
各エリアと歩調を合わせて、リアルタイムで情報発信ができれば、長崎を訪れたかたも周遊をしやすくなり、コンパクトなまちという長崎の強みが生かせると思うんです。
ですので、新しい長崎駅では、観光地へ向かうための的確な表示をしたり、観光地へ向かう路線バスや周遊バスの導入を検討したりしています。

高尾
「機能的な都市空間をつくろう」ということですね。
駅前広場や多目的広場は、市民のかたにとって日常的な憩いの空間であるとともに、来訪者をまちなかに連れて行くためのきっかけの場所となるようにも考えているんですよ。

山川
例えば長崎くんちでは、山車が広場の中に入っていけるようなレイアウトであったり、舗装の材質も山車を回しやすいようなものにしたりと検討していますし、長崎ランタンフェスティバルでは、ランタンの飾り付けができるようにコンセントや柱を整備しています。
飾られたランタンをたどって行くとメイン会場に着くといった仕掛けがつくれると楽しいですよね。
長崎駅に降り立った瞬間から、その地域の行事を感じられるような広場になるよう、柔軟性を持たせ、いつでも受け入れができるように準備を進めています。

岩﨑
イルミネーションだったり、クリスマスイベントだったり、四季折々の催しがあったらいいですよね。長崎駅から県外に出て行くことを考えるのではなくて、新幹線が来ることをきっかけにして、イベントを目的に県外から長崎に人を呼び込むようになると嬉しいです。
福岡に行ったときなど、なんだか長崎とは賑わい方が違うと感じていて、実は悔しかったんですね(笑)。もっと人を呼び込めるようになれば、きっと賑わっていきますよね。

山川
そうですね。人を呼び込むという意味では、駅のすぐそばに出島メッセ長崎もできますし、長崎スタジアムシティもできます。長崎を訪れるかたの目的に応じて、様々なところに波及できる長崎駅を目指しています。

人を呼び込むのは、人。長崎の良さを感じられる駅へ。

高尾
人を呼び込むのは、やっぱり人ですね。
お出迎えする人がどれくらいいるかが大事ですね。
「広場だからこういう使い方をしなきゃ」というのはありません。広場を使って、「私たちのまちってこうですよ」、「こんなイベントやっていますよ」とどんどんアピールしてもらって、まちの中心部である「まちなか」に人を連れて行ってもらいたいですね。

岩﨑
私が働いているお店は、浜の町にも店舗があるので、ちょうど駅にある店舗と連動して、お客さまを周遊させることができないかという話をしていました。

高尾
そういった商業ベースでの呼び込みももちろんありますよね。
アミュプラザ長崎にある長崎県産酒を提供している店舗は、そこに全ての銘柄を置くわけではなく、飲んでみて興味があったらまちなかにある系列店へ誘導するという考え方で運営されていると聞いたことがあります。
同じことが、例えば魚についても言えると思うんです。長崎って魚がすごく美味しいので、新しい駅ビルで魚を感じられる何かがあって、美味しいと思ったらまちなかへといった誘導もできたらいいですよね。

岩﨑
そう考えると、新しい長崎駅は、来訪者をお出迎えする場所といったイメージですね。

山川
まさに、陸の玄関口なんです。

高尾
長崎駅は、一番最初は電車に乗りに行くところだったと思います。次にアミュプラザ長崎ができたことで、買い物に行く場所にもなりましたよね。そしてこれからは、交流の場所になろうとしています。最初から数えて、3つめのステージですね。
電車に乗るとか、買い物に行くとかといった、用事がなくても行く場所になっていけば、お客さんとサービスする側といった型にはまった交流ではなく、人と人の交流を通して長崎を好きになってもらえるような化学反応も期待できるのではないでしょうか。
そんな風に長崎のかたの人の魅力を感じられる駅になればいいなと思っています。

山川
4月中旬には西口広場が完成して1つの節目を迎えます。今回お話したようなことが形となって見えてくるのですごく楽しみです。
多くのかたにぜひ見に来てもらいたいですし、SNSなどで発信してもらえると嬉しいです。

岩﨑
西口のあたりって今まであまり行く機会がなかったんですが、ぜひ行ってみたいですね。
そして、アミュプラザ長崎で働く立場として、長崎に来てよかったと思ってもらえるようなお出迎えと、まちなかにもお客さまを呼び込めるような取り組みを考えていきたいと思います。

取材日/2021年2月26日
※所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです。またソーシャルディスタンスに十分配慮した上で行なっています。

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