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長崎のもざき恐竜パーク

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〜「長崎のもざき恐竜パーク」〜

恐竜パワーで
地域も盛り上がる!

この方にお話をうかがいました!

水仙マン

野母崎の非公式キャラクター。イベントなどで、地元、野母崎の魅力を発信中。

中谷さん

恐竜博物館準備室の学芸員。恐竜の研究を行うなど、専門的な活動をしている。開館後は博物館の中に常駐し、調査研究を中心とし、博物館の運営に携わっていく予定。

馬見塚さん

長崎市南総合事務所の職員。野母崎を含む長崎市南部地区を担当。「長崎のもざき恐竜パーク」の担当であり、これを機会に地域のみなさんと一緒に南部地区全体の活性化を目指す。

恐竜博物館は進化する博物館

水仙マン
1年半前に恐竜博物館ができることを知りました。恐竜の化石が野母崎から出てきたってだけでワクワクしたし、博物館ができることで野母崎も盛り上がるんじゃないかと思い素直に嬉しかったですね。

中谷
野母崎で恐竜の化石が見つかったのは、偶然だったんです。平成16年に福井県と熊本県の恐竜博物館の方々がたまたま長崎市で調査していた時に見つかって。以来、毎年のように恐竜の化石が発見されるんですが、中でも平成27年の発見は驚きました。ティラノサウルス科という一番有名な恐竜の仲間の化石、いわゆる大型種と言われるものが日本で初めて出てきたんですから。今までに、1,300点を超える化石が出てきていて、これら恐竜の化石は地域資源として後世に伝えていかなければならないと、博物館の必要性が高まってきたんです。

水仙マン
博物館ができたとなると、多分皆さん1回は来てくださると思うんですね。でも、1回来て終わり、では地域の発展にはあまりつながらないようにも思います。
その点、ここは化石が次から次に出てきているということなので、1回来ただけではわからない、来るたびに展示物が増えていて、毎回違う博物館になるんじゃないかな、と。しかも発掘と同時に研究も進められていくから、進化する博物館として何度も来ていただける場所になるんじゃないかと期待しています。

中谷
長崎で見つかっているティラノサウルス科の化石はもちろん、それ以外にどんどん発掘されている実物の化石もその都度展示しますし、本物の化石に直接触っていただけるようなコーナーがあったり、進化の様子など、生き物の不思議なところも勉強できるような展示内容にする予定です。
また、水仙マンさんもおっしゃったように、恐竜博物館の中では調査研究も一緒にやっていくので、オープンラボということで廊下側に窓をたくさん設けて、研究の様子が全て見られるようにもしたいと考えています。長崎で見つかった恐竜の化石が一体どうなっていくのかを見ていただけたら、毎回違った発見があるのではないでしょうか。

恐竜博物館はつながる博物館

中谷
一方で、体験できるワークショップのようなものがないと、博物館の魅力ってどうしても落ちてしまうとも考えています。
そのため、化石を削り出す作業や、発掘体験などのコンテンツも作りたいと思っています。恐竜博物館は、当然貴重なものを見ていただく場所にはなるんですけど、プラス、一緒に恐竜の研究をやっていくような開かれた博物館を目指しています。

水仙マン
発掘体験で何かを見つけて、「これは自分で見つけた化石!」みたいなことになったら一生忘れないですよね。自分が研究に関わっているとなるとワクワクすると思いますし、「また行きたい」、「もっと関わりたい」ってなりそうです。 子どもたちが恐竜に興味を持って、大人になりながら中谷さんたちと一緒に研究して。その子たちの研究所みたいなものが野母崎にあれば、きっと楽しいですよね。利用者目線で見ても素敵なことですし、ぜひ、どんどんPRしたいです。

中谷
少しマニアックな話になりますが、個人的にぜひ見てほしいのが、ティラノサウルスの全身骨格レプリカです。ティラノサウルスの骨格はいくつも種類があるんですが、これはオランダの国立博物館が唯一持っているもので、今までレプリカを作ったことがないものなんですね。それを長崎市だけ特別に作っていただけるということで、オランダから持って来ます。日本ではここでしか見られないものですから、恐竜好きの方にも人気の出る展示になるはずです。
このオランダのライデン市にある国立博物館というのは、かつて、シーボルトが長崎から標本を持ち帰って、そのコレクションを保管している場所です。長崎市はライデン市と姉妹都市になっていて、古くからつながりがあるからこそ実現できたと言えるのではないでしょうか。

水仙マン
子どもも大人も、恐竜マニアもそうでない人も、みんなここに集まってきて、野母崎全体が賑わう。そんなことを期待させる博物館ですよね。
そして期待が実現できるように、博物館の完成を機に、まち全体が恐竜の世界みたいなことになって、「野母崎に入ったら世界が違うよね」って感じになるといいなと思います。
幸い、野母崎というのは住宅地の中に自然があるのではなく、自然の中に住宅があるような自然感がすごいまちですから。野母崎に入った途端からジュラシックパークになるような雰囲気も作りやすいと思うんです。

中谷
確かに野母崎の自然は特殊ですね。なかなか生息が確認できていない貴重な鳥の目撃例があったりしますし。鳥は恐竜の生き残りと言われていて、図鑑にもスズメとティラノサウルスが同じ恐竜のくくりで紹介されるほどです。その意味で野母崎にはリアルにジュラシックパークの要素があると言えるんじゃないでしょうか。

馬見塚
そんなまちづくりができていけば、野母崎はもっと面白くなるし、そうなると、化石が出てきたこと以外にも、野母崎に恐竜博物館を作る意味が出てくると思います。

中谷
野母崎に恐竜博物館を作る意味で言えば、歴史も関係があると思います。
実は「恐竜」という言葉を作ったのは、横山又次郎という長崎市出身の方で、古生物学の父とも呼ばれる方なんです。恐竜は昔、「恐いトカゲ」ということで「恐蜥(キョウセキ)」とも呼ばれていたんですが、これを横山氏が書物の中で「恐龍」と表現したんです。「竜」ではなく「龍」の字が使われていたのは、横山氏が長崎市の諏訪神社の近くに住んでいて、「龍踊り」が身近だったからかもしれませんね。
他にも、恐竜が出る地層が三瀬層と呼ばれているんですが、この地層は軍艦島や高島で石炭を掘っているときに見つかった、恐竜時代の化石をきっかけとして発見されました。石炭を掘ってきた長崎の歴史と恐竜の研究というのも、実はつながっているんです。

中谷
また、野母崎には夫婦岩という岩石がありますが、これは5億年を超えるくらい昔のもので、生き物が地球上に広がり始めた時にはすでにあったと考えられています。そんな太古の生き物の始まりから、今生きている貴重な鳥までをつなげて話ができるのは野母崎だけなんです。 長崎と恐竜には特別な関係があって、中でも野母崎は特に深いつながりがある場所なんですね。

長崎の南のエリア全体を一つのテーマパークに

馬見塚
夫婦岩はパワースポットとしては知られていますが、そんな歴史的背景まではあまり知られていないんじゃないでしょうか。
そして同じように、野母崎にはまだまだ知られていない魅力がたくさん埋まっていると思うんですね。恐竜を一つのきっかけとしてそれらを掘り起こしていき、皆さんに知っていただくのが恐竜パークなんです。
恐竜博物館が軸としてありますが、水仙の丘もあって1000万本の水仙や、そこからの絶景を楽しんだりもできます。恐竜に興味のないお子さんも楽しんでいただけるよう子ども広場もつくりますし、お子さんを見守りながらお父さんお母さんもゆっくりできるようなコーナーも設ける予定です。
魅力を一つ一つ個別に考えるのではなく、セットとして楽しめるようにしているんですね。そうすることで、「水仙を楽しんだ後、恐竜博物館に行きたいな」とか、逆に「恐竜を楽しんで、別の景色だったり食だったりを楽しむ」とか、いろんなものに興味を持ってもらいやすくなると思うんです。

水仙マン
まち全体が一つのパークという考え方は、さっき話したジュラシックパークに似ていますよね。
確かに入り口はどこだっていいし、恐竜博物館で石炭のことを学習した後に、パークの中にある軍艦島資料館で当時の暮らしを知ることもできる。あと、夫婦岩のところで「5億年前に来た自分」とか、博物館では「8千万年前に来た自分」とか、コスプレして写真を撮ってもインスタ映えしそうですね。

馬見塚
恐竜を一つのフックにするということは、野母崎のまちだけではなくて、高島や伊王島なども一つのストーリーでつながっていくことでもあるんです。そうやって長崎の南のエリア全体が盛り上がっていけるよう、地域の方と一緒にブランディングしていきたいですね。日光に行こうとか、奥多摩に行こうとか、そんな感覚で「長崎半島エリアに行こう」と言ってもらえるように。長崎にもう一つ奥座敷があるようなイメージです。
離島や半島と言うと、過疎地みたいなイメージがあるかもしれませんが、物理的な最先端の地というのは、実は昔から、外国をずっと見てきたということでもあると思うんです。現に、野母崎は、もともと大陸からやってくる人たちを見張っていた場所で、外国船は長崎の中心部よりも先に長崎半島にやって来ていたんです。中谷さんがおっしゃるように、ここは生き物の歴史がつながっている地であることに加え、実は日本史もずっとつながっているところなんですね。
そんな世界に目を向けた最先端の場所ですから、最先端のまちづくりもできると信じています。

中谷
本当に野母崎はお宝が眠っているまちだと思います。化石ももちろんですが、知れば知るほど自然の魅力もすごいですし、何より水仙マンさんをはじめ、地元を一生懸命発信しようとしている人材もまちの宝ですよね。
そういった方々とつながって、一緒に魅力を掘り起こしていければ、きっと地域の皆さんに愛される場所になると思います。

水仙マン
これまでも外国の文化を受け入れてきた歴史があったり、長崎の最先端にあって、時代の最先端のものを受け入れてきたように、野母崎にはいろんなものを受け入れる懐の深さがあると思うんです。そして、観光で来た方も家族のように受け入れる。そんな人の温かさこそ野母崎の一番の魅力だと思っています。
今回、恐竜博物館ができることで地元を盛り上げようとする地元民の熱も上がっています。自分たちが楽しみながら受け入れることで、一度来た方ももう1回来たいとなるはずですし、その積み重ねがいつか、南部地区全体を一つのテーマパークにという夢の実現につながればいいなと思います。

取材日/2021年1月21日
※所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです。またソーシャルディスタンスに十分配慮した上で行なっています。

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