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長崎のもざき恐竜パーク

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〜「長崎のもざき恐竜パーク」〜

さらに進化し続ける!
楽しさあふれる野母崎

この方にお話をうかがいました!

前野 友明さん

休みの日には家族で市内各地を訪れている。自然とのバランスがとれた南部地区の盛り上がりに期待している。

彩葉ちゃん

前野さんの娘さんで小学4年生。お出掛けが大好きなアクティブ系。

早川 昌宏さん

長崎市教育委員会生涯学習課恐竜研究所所長。恐竜化石の発掘・調査・研究を通して恐竜博物館の充実と、長崎市の南部地域の賑わいをつくりたいと考えている。

長崎と恐竜

早川
長崎市恐竜博物館が開館して、2022年10月でちょうど1年になります。
開館する前から、市民や住民のかたに「野母崎も盛り上がるんじゃないか」と期待を寄せられていて、私たちもその期待に応えようと無我夢中で取り組んできた1年でした。
おかげさまで、当初の目標であった来館者数が、年間12万人であったのに対し、実際は倍以上のかたにご来館いただいています。

前野
野母崎に恐竜の施設が新たにできるらしいと噂になっていました。「なんだか面白そう」と思いつつも、初めは長崎=恐竜というイメージが無かったので、あまりピンとこなかったんです。
それが、長崎で恐竜の化石が発見され、博物館ができると聞いて、「太古の長崎の地に、映画などでみた巨大な恐竜がいた」と想像するとワクワクして一気に期待が高まりました。
化石を通してどんなことがわかるんだろう?まだ知らないことが解明されていけば、もっと楽しくなるんじゃないかと。

早川
実は、長崎の歴史と恐竜には特別な関係があることがわかっています。長崎半島西海岸にある約8000万年前の三ツ瀬層は、この近くにある軍艦島や高島で石炭を掘っているときに見つかった地層なんです。
海外では、恐竜の化石は地表に出ていて、歩いていても見つかるんですが、日本では、地面や崖を掘って石を持って帰って、その石を削って初めて化石かどうかがわかります。石炭を掘ってきた長崎の歴史がなければ、もしかすると三ツ瀬層は発見されなかったかもしれないわけです。
野母崎は、そんな長崎の歴史と恐竜との関係をわかりやすく表してくれる場所なんです。なので、恐竜博物館も生物の誕生から恐竜の時代、石炭ができた時代を経て現代に至るまでのストーリーを博物館のコンセプトにしているんです。

前野
なるほど。恐竜と軍艦島の近代遺構は時代的なズレがありますが、よく考えてみると、石炭は化石なんですよね。恐竜と軍艦島が一致しました。そのようにつながりがあるものとして見ると、おもしろいですね。

恐竜博物館の楽しみ方

前野
前回、初めて博物館に来たときは、ティラノサウルスの全身骨格に圧倒されて、そのストーリーまでは気がつきませんでした(笑)。

彩葉
トリックスね。ホント、おっきくてびっくりした。

早川
他の子どもたちには、「動く恐竜」が人気があるんだけど、彩葉ちゃんは全身骨格が印象的だったの?

彩葉
はい。こんなに大きいのが生きていたんだって驚きました。
博物館内にあるテレビに軍艦島が見える砂浜が映っていて、そこを恐竜が歩いている様子が見られたのも面白かったです。
トリックスの骨格を見て、「この恐竜が、こんなふうに動いてたんだ」って想像するとすごくドキドキしました。

前野
確かに、他にも恐竜の歯とか本物の化石もたくさん展示されていて、何千万年も前に長崎に大型の肉食恐竜が生息していたことを実感できました。

早川
そのテレビに映る映像は、博物館の傍の砂浜をリアルタイムで映しているんですよ。そこに動いている恐竜の映像を合成してARで見せているんです。だから、軍艦島を背景にして、人間と恐竜が一緒にいる風景というのも見ることができて、よりリアルを感じることができるかもしれません。

彩葉
えっ!?それじゃあ、お父さんが砂浜に行けば、お父さんと恐竜が一緒にいるところが見られるんですか?
恐竜と一緒に歩いたり、ポーズを取ったら「恐竜に驚くお父さん」というのも見られる(笑)。とても面白そうで、今度やってみたいです!!
その写真を撮ることができれば、きっと楽しいですよね。

前野
娘は、以前来た時に「撮影スポットを作ってほしい」と言っていたので、その話ができてよかったです。

彩葉
他にももっとスタッフさんだけが知っているスポットとかもあると思うので、教えてほしいです。
ここはキレイな場所や驚くような場所がたくさんあるので、「ここから撮影したら映えスポットになるよ」といったことを知りたいです。

早川
そうだね。素敵な場所で写真を撮ったりできると、博物館に来た人ももっと楽しめそうだよね。

全国的にも珍しい博物館

早川
恐竜博物館には化石研究の様子を間近で見学できるオープンラボがあります。国内の自然史博物館では3台目となるX線CTスキャナなどの機材や、バックヤードツアーのように研究も展示の一環として見てもらい、興味を持っていただけたらと思います。

前野
前回見学したときに、ちょうど学芸員のかたがいらっしゃって説明をしていただきました。解説を聞きながら見ると、興味が湧きますよね。

早川
お客様と会話することで、その人が何に興味を持っているのかがわかるので、私たちにとっても貴重な時間なんです。私たちは、発掘と同時に研究も進め、展示内容を更新しながら進化する博物館を目指していますが、そこにお客様の興味関心を反映させることができればと考えています。
オープンラボの他にも、展示室の海側に窓があり、30分ごとにカーテンが開くのも特徴です。博物館、美術館の展示室に窓があること自体が少ないので、かなり珍しいつくりになっていると思います。

前野
確かに、他の博物館の展示スペースは暗いイメージですよね。

早川
はい。それは、直射日光による展示物の劣化を防ぐためなんですね。
でも、ここは海側が北にあたり直射日光が当たりにくいですし、化石は光による劣化がしにくいからできることなんです。
軍艦島まで見渡せる海を背景に恐竜化石を見て、テーマパークやショッピングセンター、デジタル空間などでは体感できないリアルな自然を感じていただきたいと思っています。

南部地区を盛り上げる拠点に

前野
自然と言えば、ここには1000万本の水仙が咲く「水仙の丘」や、子どもたちが体を使って遊べる「こども広場」もありますよね。娘がそこの遊具が大好きで、この前もなかなか「帰る」って言わなかったくらいです(笑)。
お弁当を持ってきて、ゆっくり過ごすのも良さそうですよね。

彩葉
大きな滑り台が一番好きです。
降りるときもスピードが落ちなくて、ヒュンって飛び出すような感じが何回やっても面白い(笑)。次は絶対友だちと一緒に来てずっと遊びたいです。

早川
恐竜パークではいろんな楽しみ方ができます。それこそ、簡易テントを張って弁当を広げているご家族連れもいらっしゃいます。
何より、地域の人たちがパークを活用しようとしてくださっているのが嬉しいですね。ご自身たちで発案した「たこ祭り」など、ここでお祭りやイベントをやるようになったんです。

前野
「水仙まつり」や「伊勢海老まつり」は行ったことがあるんですけど、「たこ祭り」もあるんですか?

早川
野母崎ではタコも獲れるので、地元資源を売り出そうと、地元の人たちが考えたお祭りです。「小さいタコのつかみ取り」などがありますよ。

彩葉
面白そう!やってみたい。

早川
野母崎地域には、そんな「面白そう」がどんどん広がっていて、恐竜博物館が開館する前と比べると訪問客数が倍増している月もあるほどなんです。飲食店の新規出店も続いていますし、地域がどんどん賑わっていっている感じがします。

前野
確かに、ケーキやカフェなど新しいお店が増えましたよね。
お洒落なお店がいろいろあって、博物館に来た時にお店巡りをするのも楽しそうです。

早川
恐竜博物館を含むのもざき恐竜パークに予想以上の人が訪れているのは、市街地から少し離れているという地理的条件を上回る価値がここにあるからだと思います。
それは、恐竜だけでなく、自然や食、イベントだったりもしますし、何より地域のかたがその価値に気づき、資源を磨いているからこそだと思います。
これからも、地域の皆さん、関係団体と連携し、南部地区の賑わいの場所になるように取り組んでいきたいと思います。

取材日/2022年10月29日
※所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです。またソーシャルディスタンスに十分配慮した上で行なっています。

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