いっしょに描く未来図 ミライズム ∞ トーク
Miraism Talk
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〜「出島メッセ長崎」〜
市民も訪問客も!
みんなが主役の出島メッセ長崎
この方にお話をうかがいました!
富永雄吾さん
高知出身の長崎大学4年生。これまで出島メッセ長崎で開催されたイベントに何度か参加している。
鹿尾正博さん
出島メッセ長崎館長。福岡から2021年5月に赴任し、出島メッセ長崎の活用を通じて長崎の地域づくりに貢献したいと考えている。
開業から約1年。必要とされていた場所であることを実感
鹿尾
2021年11月1日に出島メッセ長崎が開業し、およそ1年が経とうとしています。
この間、世の中はコロナ禍にあって、活動の制約等、人が交流し、賑わう拠点の確立を目指す私たちにとっては必ずしも追い風とは言えない状況が続きました。
それにもかかわらず、これまでに開催されたイベント・催事の数は、当初の目標であった775件を大きく上回る1500件以上を実現しています。利用者に関しても、目標値をクリアできそうなところまで伸びてきていますので、多くのかたにこの施設を楽しんでいただいていると感じています。
富永
私もいくつかのイベントに行きました。中でも驚いたのは「DEJIMA博」です。
それまでは新型コロナウイルスの影響で誰かと会える日が少なかったのですが、イベント当日は正面入り口から人がすごく溢れていて、「長崎にはこんなに人がいたんだ」と改めて感じましたし、久しぶりのお祭り気分でワクワクしました。
鹿尾
「DEJIMA博」では1日に6,000人〜7,000人の来場者がありましたし、一度に4,000人のかたが滞在されていましたのでとても賑わいましたね。
そんな多くのかたに利用していただく中でも、エレベーターやドアの取っ手、壁紙などに新型コロナウイルス対策に効果があるとされる最新の技術を導入していますので、安心してお楽しみいただけたのではないかと思います。
富永
それと、トイレもありがたかったです。飲食をするとトイレに行きたくなると思うのですが、ここはトイレの数も多く、混まずに入ることができました。
「DEJIMA博」は、出島メッセ長崎で参加する初めてのイベントだったので、「どんな様子なんだろう?」、「ホールで行う飲食イベントってどんなだろう?」と思っていましたが、参加してみると室内なのにすごく広い空間で、屋台のように並ぶ飲食ブースには学生も親子連れも、いろいろな人が行列を作っていて、皆さんの笑顔につられて私も楽しくなりました。笑顔って、伝染するんですね。
室内なので雨や風の心配もないですし、本当に快適に楽しめました。
出島メッセ長崎だからできることの進化と深化
富永
実は、出島メッセ長崎のオープン前、「国際会議場ができる」といった話を聞いた時、「私たちには直接関係ない場所なのかな?」と思っていました。ヒルトンホテルも隣接するとのことで、「偉い人が長崎に来るようになるんだろう」という印象だったんです。
その後、他にも会議室や大規模ホールがあると知って、「色んなイベントに参加できそう!」と自分ごとに思えるようになりました。実際に参加してみて、「楽しめる場所だ」と確信しました。
鹿尾
もちろん、食だけでなく、さまざまなイベントが開催可能です。
こけら落としイベントの「MICE EXPO」では、音楽ライブやドローンの実演、学生の研究発表など、それこそ多岐にわたるイベントを全館あげて開催しました。
その中のeスポーツの大会は、充実したインターネット回線を有する当館の強みを生かしたイベントでした。10Gbbsという高速回線では、福岡国際センターと同規模のイベントが開催可能で、今後は「eスポーツ長崎大会」も行いたいと考えています。
富永
これはインターネットとは直接関係ないかもしれませんが、室内だから可能だったその他のイベントで言うと、「くるまの遊園地」も印象的でした。
実際の車が展示されているのはもちろん、小さな子どもがゴーカートに乗って楽しめたり、モニターを使って車のドライブシミュレーションができたり。観て、遊んで、体験できるが融合したイベントで、これからの楽しみ方がもっと広がっていくのではないかと期待しました。
鹿尾
おっしゃっていただいたような、「この施設だからできる」イベントや催事は、これからも開催していきたいと思っています。
例えば、先だって開催された「ながさき大くんち展」。これも長崎くんち全出演踊町43町の演し物、傘鉾等を一堂に展示する他、龍踊などの実演があったりと、盛りだくさんの内容でしたが、照明効果やスモークなど、「この施設だからできる」演出で、多くの皆さまに楽しんでいただけたと思っています。事実、来場者数は過去のイベント・催事の中で最高だったんです。
ただ、長崎の伝統文化である「くんち」を、皆さんは待ち望んでいたんだと実感するとともに、一方では、これまで「長崎らしさ」を意識したイベント・催事が少なかったかもしれないとも思ったんです。
なので、これからはさらに一歩進んで、「この場所」が「長崎市にある出島メッセ長崎」であることを強く意識していきたいとも考えています。
富永
私は高知県出身ですが、長崎市にはとても魅力が詰まっていると感じます。「長崎らしさ」が息づく「出島メッセ長崎」であれば、福岡にも劣らないほどの賑わいや活気が生まれそうで楽しみです。
鹿尾
西九州新幹線も開業し、県外からのアクセスが良くなっているので、九州圏内の利用者増も見据え、「長崎らしさ」をどんどん発信していきたいですね。
そして、今回の「ながさき大くんち展」でもそうであったように、ここを拠点としてまちなかを巡ってもらい、まち全体を巻き込んだ交流につなげていきたいと思います。
訪れる人も、住む人も「長崎らしさ」を楽しめる場所に
富永
一方で、訪れる人にとって、「何か」がある長崎というだけでなく、住む人にとっても、ずっと住み続けたい「何か」がある長崎であって欲しいですよね。
鹿尾
長崎では特に若者の都市圏への人口流出が言われていますよね。
確かに、その問題を食い止める「何か」が必要ですし、それがあれば、今よりももっと賑わいや活気が生まれると思います。
ただ、その「何か」とは一つではないと思うんですね。そこから生まれた賑わいや活気が、また新たな「何か」を生み出していくような相乗効果につながるのが理想です。
私は先ほど、「長崎らしさ」と言いましたが、これも「何か」の一つです。「くんち」を例に挙げたので、歴史や伝統、あるいは観光資源こそ「長崎らしさ」だと思われるかもしれませんが、それだけではありません。この他にも「長崎らしさ」はあると思いますし、もっと言えば出島メッセ長崎を利用する市民の皆さまそのものが「長崎らしさ」であっていいわけです。
例えば、現在も会議室等を利用して、サークル活動や発表会、展示会を開催されるかたがいらっしゃいます。ここで市民が交流し、ここからコミュニティの輪が広がっていくとすれば、それはそれで「長崎らしさ」の一つのカタチだと思うんです。
富永
なるほど。市民の交流が「長崎らしさ」に育っていくイメージですね。
でも、施設が一般の人も利用可能だとは知りませんでした…
室内だからできる工夫だったり、出島メッセ長崎だからできる仕組みだったり、聞けば聞くほど何か色々と情報を逃している気がします(笑)…
鹿尾
会議室だと、3時間で2,200円から利用可能ですよ。
富永
個人でも利用できるとなると可能性がさらに広がりそうですね。
高知では、「日曜市」というイベントがあって、毎週日曜日に道路を封鎖して市場が開かれるのですが、出島メッセ長崎でも友だちと一緒にそのような催しができるかもしれない。
長崎駅に隣接しているので利用しやすいですし、いろんな催事が開催されることで、「ここに来れば何かがある」、「駅を降りたら、とりあえず出島メッセ長崎に寄ってみる」といった意識も芽生えそうです。
長崎を訪れる人にとってだけではなく、長崎に住む人にとっても楽しめる場所になりそうで夢が広がります。
まちと人が輝くきっかけに
鹿尾
全国、世界規模の大会・学会や、これまで長崎市内で開催できなかった大規模なイベントなどで国内外から多くのかたを迎え入れ、まちとつなぐ。これらを通して経済波及効果等を長崎に還元できるようにすることは私たちの取り組むべきことです。同様に、交流ネットワーク・観光ハブ拠点として、市民同士、市民と訪れたかた、市民と世界、市民と未来をつなぐことも私たちの目標なんです。
富永
出島メッセ長崎は、いろんなことを楽しめ、ワクワクする場所なんだと実感しました。
これから、積極的にイベントなどに参加して、いろんな楽しみを見つけていきたいと思います。
鹿尾
出島メッセ長崎は、まちと人を輝かせる「何か」がある場所であり、その「何か」が見つかる場所です。もしかすると、それは、皆さんがつくるものなのかも知れません。
もちろん、「何か」は一つではありません。
ここでのイベントや催事を通して交流が生まれ、交流が育まれる中で、皆さんの「何か」をつかむきっかけになれれば幸せです。
出島メッセ長崎は皆さんにどんどん使ってもらえる身近な施設を目指しています。ぜひ、お気軽にご利用ください。
取材日/2022年10月12日
※所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです。またソーシャルディスタンスに十分配慮した上で行なっています。