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まちぶらプロジェクト

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〜「まちぶらプロジェクト」〜

地域と一緒に!
まちなかの賑わいづくり!

この方にお話をうかがいました!

鶴野嵩敬さん

株式会社グレース代表。2020年11月、中通り商店街にオープンした町家風の商業施設「めがね橋LOGIC(ロジック)」に出店。そこで「まちぶらプロジェクト」を知り、参加。商店街の皆さんと自治体と一緒に中通りを盛り上げている。

阿部美和子さん

「ナガサキマチナカ女子部」の「ぶちょお」。長崎のまちの楽しさを女子目線で発信中。「まちぶらプロジェクト」には4年前から参加。思っていた以上の活動の広がりを感じ、ワクワクしながら参加している。

松尾希望さん

市役所に入庁して3年目。1年目から「まちぶらプロジェクト」を担当し、新大工や中島川・寺町・丸山エリアを担当エリアとして取り組んでいる。自身もまちなかエリア周辺に住んでおり、まちの変化を楽しんでいる。

まちに賑わいをもたらす、まちぶらプロジェクト

松尾
2013年度からスタートして、2022年度までの10年間で「まちなか」に賑わいを作っていこうという「まちぶらプロジェクト」。阿部さんや鶴野さんをはじめ、プロジェクトに参加している多くのかたと一緒に進めることで、たくさんの魅力が見えてきました。

阿部
私は普段、「ナガサキマチナカ女子部」の活動を通して、「まちなか」に女子が「あったらいいな」と思う魅力を再発見したり、仕掛けを作ったり、とにかくまちに興味を持ってもらうための発信をしていますが、「まちぶらプロジェクト」に参加して改めて、「まちを賑わせたい」という思いは市役所のかただけじゃなく、市民もみんながお持ちなんだと実感しました。

松尾
「ナガサキマチナカ女子部」で開催されているイベントの「ちいさなごほうび」が、「まちぶらプロジェクト」で私が関わった最初のイベントだったんですよ。みんなに楽しんでもらうというのはこういうことか、こんな感じで賑わいをつくっていくんだなと、実感しました。

阿部
「ちいさなごほうび」は、伊良林地区にある100年くらい経っている古民家を使って、仕事や子育てを頑張っている女子を応援するイベントです。女子が興味を惹くようなワークショップやカフェなどを開催します。イベント会場だけが盛り上がっても、結局はその場限りのこと。せっかくまちに来たんだったら、その周辺も歩けばきっと面白いだろうと。そこで、散策できるようなマップを作って、まちをぶらぶら歩く仕掛けをしました。マップをじっくり読んで、実際にまちを歩いて楽しんでいただけた参加者も多く、まちに興味を持ってもらえたんじゃないかと手応えを感じましたね。

鶴野
阿部さんがおっしゃるように、賑わいを広げていくことってとても大事だと思います。今は、まち全体が細くなっているように感じるんですね。私は「めがね橋LOGIC」に出店していて、自分たちのお店に集客したいのはもちろんあります。ただ、それ以上に商店街や違う事業者さんと連携するなど新しい取り組みをすることで魅力を鍛えていって、まずは中通り商店街に人を呼び込むことが大切だと思っていて、実際そのような動きを始めようとしています。 具体的には、コロナ禍もあってお店をやめる方が増える中、例えば1週間とか期間を区切って安い賃貸料で自分たちのお店を出したいという方を後押しするチャレンジ店舗を置いたりするなど、「めがね橋LOGIC」の中のテナントの方と協力して進めている状況です。

松尾
「魅力をつくる」と一言で言っても、お二人の活動のように地元のかたの意見をいただいた方が、よりリアルなまちの楽しいところが見えてきますよね。道路を歩きやすく綺麗にしたりとかは、地元のかたと話をしながら市の方でやるべき魅力づくりだと思うんですけど、それが市民のかたの誇りにもなるような魅力となるには、やはり地元のかたの力が必要で、地元のかたと連携する「地域力」も「まちぶらプロジェクト」の大きなテーマの一つなんです。

松尾
また、まちなかの各エリアには地元のかたたちと一緒に考えた、そのエリアの特徴に合ったテーマがあります。例えば、鶴野さんがいらっしゃる「めがね橋LOGIC」がある中通り商店街は、「まちなか」の「中島川・寺町・丸山エリア」にあたりますが、ここのテーマとしての魅力は「和のたたずまいと賑わいの粋なまち」です。このエリアには、昔、町人が暮らしていた名残である「町家」が多く残っていたり、その生活の中で季節ごとの習慣であった「長崎歳時」が今も残っていたりします。地元の方々の中にもそういった意識があって、「なくなっていくものを今に残したい」という思いも込められているんです。
こういった強い思いは地元から生まれてくるものだと思いますし、その意味で行政が前に立ってというよりも、地元と一緒にチームとなって進めていくイメージを大切にしたいですね。

鶴野
話をするとか、意見を聞くとか、連携することで魅力は広がっていきますよね。私も「めがね橋LOGIC」に来て初めて、商店街としては中通りが長崎で一番古いと言われていることを知りました。
「古き良き時代」という歴史を振り返り、中通りには昔から「青空市場」というイメージがあることを知ると、店の前にワゴンを構えることで、市場のイメージを今に活かすことができて面白いんじゃないかと思いますね。

松尾
本当に市民のかたのアイデアには学びが多く、まちがどんどん良くなっていくと期待することばかりです。

松尾
「めがね橋LOGIC」の建物の造りもまさにそうでした。昔の中通りは、路地を入ったところでお茶を飲んでいたり、居酒屋さんがあったり、将棋を打つ場所があったりと、ちょっと入った先に面白いものがあったそうなんですが、そういう路地を楽しんでもらえるような造りになっているんですね。 古き良き時代のまちのつくりを、建物を使って顕在化するアイデアは思いつきもしませんでした。
知ることや人とつながることで、できることは広がると思いますし、それが形になっていくのはすごく面白いですよね。
市では、まちなかで、まちの魅力や賑わいづくりに取り組むかたを応援したり、市などとの連携をしやすくするために「まちぶらプロジェクト認定制度」をつくっています。阿部さんや鶴野さんをはじめ、まちづくりに参加する認定事業者が今後ますます増えて、まちの魅力がどんどん磨かれていけば、もっと楽しくなるはずだと思います。
まちなかエリアに住んでいなくても、市外のかたでも認定事業者になれますので、様々なかたにぜひ参加してほしいですね。

賑わいづくりのチームづくり「まちぶらプロジェクト認定制度」

阿部
一方で、周りには長崎市がこんな取り組みをしていると知らない人もいて、認定事業者と民間企業、市民の間には差がすごくあるようにも感じます。
私たちの活動でも、「ちいさなごほうび」で使うマップに広告を出していただこうと、お店にそれぞれ出稿のお願いをした時、最初は「あんたたちなんばしよっと」と言われたりとか(笑)。

鶴野
確かに。こういう風にやっていきたいと提案をしても、なかなか伝わらないというか。「どうせ、言っても変わらんさ」みたいな雰囲気があるのも事実ですね。そういった冷ややかな空気感を変えていきたいんですけど。

松尾
実は、現在私たちが感じている課題の一つがまさにそれです。すでにプロジェクトを知っているかただけじゃなくて、いろんなかたに知ってほしいし、知ってもらうことで、まちづくりに取り組むかたが増えるきっかけにもしていきたいんです。 そのため、「めがね橋LOGIC」や浜町アーケードの交差点の「ハマモニ」でもサイネージで情報発信をしていただいたりしています。

阿部
長崎市の方で発信されるのも大切ですけど、行政とか、難しいイメージがないところで発信する人たちを増やすことも重要だと思います。
「まちづくり」って最初に話されても大抵の人って引くと思うんですよね。それを、人と人がつながって、距離が近くなったところで「実はまちづくりってね」って話していけば、「そしたら自分もやってみたい」と、なるんじゃないかと。そして、「自分が参加したことでこれだけ変わった」と実感できれば、もっと次を目指したくなると思います。
実際、私たちの「ちいさなごほうび」マップも、5年くらい続けた今では、老舗の和菓子屋の社長さんとかが、あらかじめ広告費を準備してくださっていて、「がんばってね」と声をいただけるようにもなりました。活動に共感して、一緒に魅力をつくっていく広がりを持てたことが、次の活動にもつながっています。

松尾
事業者のかた同士のつながりも発展的な取り組みになりますよね。

松尾
例えば、まちあるきの際に必要となるトイレを解放する「おもてなしトイレ」に取り組んでいる事業者もいます。その取り組みに共感した清掃技術を持った企業が、トイレの清掃や洗剤の提供をしてくださる取り組みも生まれています。他にも連携した取り組みが生まれている事例もありますので、今後も人と人のマッチングができる場づくりをしていきたいですね。

つながること、広がること

鶴野
マッチングがあるとしても、基本的に今は、それぞれの認定事業者が、それぞれ個々に長崎市と話をしている状況だと思います。
今回の対談もそうですけど、複数の事業者が集まって意見やアイデアを出しあえる場があったほうがいいし、1つのエリアの中だけの話ではなくて、エリアを越えた連携があると、賑わいはもっと広がるんじゃないでしょうか。

阿部
実現はしていませんが、以前、「ナガサキマチナカ女子部」の中で、「中島川・寺町・丸山エリア」を着物を着て歩けば素敵ね、と話が出たことがあったんです。みんなでやったら楽しそうだから、企画してみようかと。着物の着付けに関しては、すでに出島や浜町で取り組まれている事業者のかたがいるので、そこの事業者さんとつながることができたら、着物を着て何か一緒にイベントをしましょうとなって、活動の場ももっと広がりますよね。

松尾
まちなかには他にも4つのエリアがあって、新大工エリアは「商店街・市場を中心としたふだん着のまち」。浜町・銅座エリアは「長崎文化を体感し、発信する賑わいのまち」。館内・新地エリアは「中国文化に触れ、食を楽しむまち」。東山手・南山手エリアは「異国情緒あふれる国際交流のまち」と、それぞれのエリアの魅力をテーマに地域づくりが進んでいます。 まちなか軸を中心に、これらのエリアをつなぐ軸づくりも「まちぶらプロジェクト」の大切な取り組みのひとつなので、次の段階ではそういったエリアを越えて事業者のかたたちがつながることができる仕組みを考えたいと思います。

鶴野
私は県外にいた経験もあるんですけど、皆さん「長崎っていいよね」って言うんですよ。そこには異国情緒豊かなまちというイメージもあると思うんですが、自分が感じるのは、西洋とか、中国とかの個別の異国のイメージではなくて、それらが融合した情緒なんですね。今回「まちぶらプロジェクト」に参加して、和の魅力も認識できましたし、まさに、和華蘭文化だと思うんです。これは長崎ならではのことですし、まちなかの魅力ってこれらを一度に味わえることにあるのかもしれませんね。

阿部
長崎ってすごくコンパクトなまちで、ちょっと行ったら中国があって、ちょっと行ったら西洋がありますよね。日本にいながら多民族みたいな。
「着物を着てまちを歩くのって楽しそう」とさっき言いましたけど、同じように、新地にはチャイナ服を着た人がいたり、南山手には西洋のドレスを着た人がいても楽しそうなんです。そこで、エリア同士のつながりができると、西洋ドレスの人が和の趣に触れたり、和服で石畳を歩いたりするシーンが生まれるかもしれません。着物の人とチャイナ服の人と、西洋ドレスの人が同じ空間にいることだってできる。それって古き良き長崎の再現だし、今の新しい長崎の魅力になるんじゃないでしょうか。
市民も観光客も参加して、まちなかを舞台として楽しめるイメージ。「まちぶらプロジェクト」がどんどん広がっていく。そういうのってとても夢がありますよね。

松尾
まちぶらプロジェクトには、まちなかの各エリアをつなぐ他にもう一つ、陸と海の玄関口とまちなかエリアをつなげる「軸づくり」があります。今、長崎駅周辺の整備が進んでいたり、松が枝埠頭にクルーズ船が2隻同時に着岸できる計画も進んでいる中、まちなかの賑わいづくりはもちろん、まちなかへ来やすいように歩道を整備するなどハード面にも取り組むことで、まちなかに人を呼び込んでいきたいですね。
長崎の文化や伝統を古いままにせず、今の新しい感性で磨くことで、市民の誇りになるだけでなく、市外、県外の方にも「行ってみたい」と思ってもらえるような魅力にしたいと思っています。
もともと「まちぶらプロジェクト」は、「こうなっていこう」という考え方でスタートはしているものの、今日のような地域のかたの意見や、社会情勢や環境の変化で「こうしていった方がもっといいだろう」と、さらに発展していくものでもあると思うんですね。私たちもそういった進化していく形でもっと動いていけたらと思います。

鶴野
2023年度までの事業かもしれませんが、まちの魅力って、事業が終わればなくなってしまうものでもないですよね。その後も活動は続いていくと思いますし、続けられるように、ぜひエリアを越えてみんながチームになり、まちなかに賑わいをつくっていきたいですね。

取材日/2021年1月26日
※所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです。またソーシャルディスタンスに十分配慮した上で行なっています。

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