いっしょに描く未来図 ミライズム ∞ トーク
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〜「あぐりの丘」〜
あぐりドームをきっかけに!
可能性広がるあぐりの丘
この方にお話をうかがいました!
柳まり子さん
長崎県の各地で地域体験を仲間と一緒に開催している2児のお母さん。海辺のゴミ拾いなど自然との触れ合いの他、文化に触れる活動など、幅広い体験活動で子どもたちと一緒に長崎を楽しんでいる。
みづきちゃん
なおきくん
みづきちゃん5歳、なおきくん3歳。二人ともあぐりの丘が大好き。
山口俊郎さん
あぐりの丘担当11年目。あぐりの丘の事は隅から隅まで知っている、あぐり愛に溢れる長崎市職員。
高柳亮爾さん
あぐりの丘の施設管理者。2022年10月から施設長を務める。民間ならではのアイデアと取り組みで、あぐりの丘を盛り上げたいと思っている。
「あぐりドーム」は、子どもの成長が見える場所
山口
2022年10月28日に全天候型のあぐりドームができました。
これまでのあぐりの丘は、雨が降ったら遊べないとか、冬は寒くて行きにくいとか、場合によっては来場を躊躇するような印象もあったと思うんですが、今では雨の日でもたくさんの家族連れや子どもたちが来てくださるようになり、本当に嬉しいですね。
柳
確かに、以前のあぐりの丘は会社のレクレーションや何かイベントがある時に行くというイメージだったんですけど、あぐりドームができてからは「週末のお出掛けどこに行く?」という家族の会話の中で、子どもたちが「あぐりの丘に遊びに行きたい!」と言うようになりました。
周りの人からも「あぐりの丘に行ってきた」という声をよく聞くようになりましたし、私たちも含め、足を運びやすくなったと感じる家族も多いのではないでしょうか。
みづきちゃん
私はアミアミの大きなネット中で遊ぶのが好き!
なおきくん
僕は木のボールプールが好き!
柳
ネットの遊具も、子どもたちは最初は怖がっていたんです。それが少しづつ慣れて、コツを掴むとどんどん進めるのが楽しくなったみたいで、何度も繰り返して遊んでいましたね。
木のボールプールには玉転がしのおもちゃがあって、木のボールの折り返しを、それこそ何回も目で追いかけているようです。
また、遊具を通して手足の感覚や体全体のバランス感覚を養ったり、チャレンジしたり、失敗したり、成功したり、あぐりドームを通じて「こんなことも出来るようになってたんだ!」と子どもたちの成長が見えるのは嬉しいです。
高柳
あぐりドームができてから「この施設をどうやって楽しんでいただくか」に注力してきたので、柳さんの言葉はとても励みになります。
これからも安全を第一に、子ども同士や親子の関係性を深められるような活動をさらに充実させていきたいと思います。
目標より3ヶ月早く、来場者10万人突破!
高柳
2023年7月28日には、来場者10万人を達成しました。
あぐりドームを開設して9ヶ月で10万人を達成できたことからも皆さまの期待の高さがうかがえます。
長崎市に、子どもが遊べる場所をもっと欲しいという声が以前からありました。
天候によらず、体いっぱい使って遊べる施設ということで、多くの皆さまに望まれていたんだと改めて実感します。
山口
あぐりドームには、ここに来る「きっかけ」になって欲しいという期待も込めていたんですが、見事に役割を果たしてくれていると思います。
実は、あぐりの丘はもともと公園なんです。
里山で昆虫採集をしたり、広々とした畑でイモ堀り体験などのイベントも開催していました。自然と触れ合い、満喫できる場所なんですね。
ただ、あぐりの丘に来るきっかけを考えた時、「公園」というだけでは少し弱いと感じていたので、あぐりドームの人気は本当に嬉しいです。
「楽しい」から、「好き」になって、そこに少しの「学び」や「気づき」がある、そんなあぐりの丘になって欲しいですね。
高柳
利用者の皆さまにアンケート調査も実施させていただいていて、好意的な意見をいただいています。今後は、「学び」という観点を意識したイベントの企画などをしたいですね。
山口
あぐりドームで遊んでいる子どもたちを見ていると、子どもたち同士が仲良くなって、自分たちで遊びをつくっているんですね。遊具は同年代で遊びやすいゾーニングになっているので仲良くなりやすいんだと思いますが、2、3人の子どもたちがいつの間にか10人くらいのグループになっていたりします(笑)。
お父さんやお母さんも見守っていますが、子どもたち同士で気づき、その中でルールをつくっていく姿はとても素晴らしいと思います。
みづきちゃん・なおきくんちゃんと順番は守るし、「どうぞ」って譲ってあげたりもしたよ。
柳「そういうこともできるんだ!」って驚きます。親にとっても、気づきになります。
あぐりドームをきっかけに、自然へと目を向けるあぐりの丘は、未来にも広がっている
山口
そして、あぐりドームで遊んだから終わりではなくて、外でも自分たちで遊びをつくっていけば、あぐりの丘をもっと楽しめるようになると思うんです。
外には、水遊びだったり、動物との触れ合いだったり、草花を楽しんだり、自然を満喫するものがたくさんあるわけですから。
高柳
あぐりの丘全体としての役割ですね。
ここは自然を生かした上での施設ですから、遊具は一つのきっかけであり、自然との組み合わせをどうしていくかに、楽しみ方が広がる可能性があると思います。
柳
私が感じるのは、楽しみ方が固定化されていないのがあぐりの丘の魅力だと思います。
もちろん、あぐりドームで遊ぶのは子どもたちにとって楽しみであり、ここに来る目的の一つではあるんですが、それ以外の楽しみを自分たちで探すのも興味深いですね。
周りには、当たり前に野菜があって、花があって。季節が変われば印象も変わってくるのかな、と。じゃあ、違う季節に来てみようと思いましたし。
山口
市民団体の活動の一つで、あぐりの丘で夜の星座を見るイベントがあります。これは、当初、市が開催した時から市民団体が「あぐりネットワーク」となった今でも続いていて、「普段は入れない夜の公園に入れる」と好評ですよ。それこそ、違う印象のあぐりの丘に出会えるかもしれません。
高柳
今年の8月にはクワガタやトンボ、バッタなどをつかまえにいく里山体験を開催しましたし、以前人気のイベントだった味噌づくり体験も計画中です。
現在は中断している畑の運用も今後は再開し、収穫体験やっていく予定です。
イベントももちろんですが、何よりここは自然が美しいと感じます。特に角力灘に沈む夕日はとても綺麗で、日によって色が違うなど新たな発見もあります。
柳さんもおっしゃったように、季節によって印象が違いますので、そんな季節を生かした取り組みを、民間ならではの発想で実現していきたいですね。
柳
私たちはあぐりドームで遊んだ後、あぐりの丘を散歩するんですが、お話をうかがっているといろいろとできそうなことがありそうで楽しみです。
「花マップ」とか「昆虫マップ」とかつくってもらって、お散歩コースを紹介してもらいたいです。
山口
「花マップ」とか「松ぼっくりマップ」とか、スタッフが手作りしたものがあるので、ぜひ活用してください。
あと、「夢マップ」というものもあります。これは、みんなの夢が形になったもので、先ほどお話しした「あぐりの丘で星を見ようよ」というあぐりネットワークの活動もその一つです。
高柳
3月に開催した子育てイベントでは、1日に5,000~6,000人の来場者がありました。あぐりの丘にはそれだけの力があるわけです。
日常的には生活の一部として利用していただきながら、イベント時には非日常感も味わっていただける。遊具と自然、イベントの関わらせ方次第で可能性はどんどん広がっていくと思います。
柳
子どもたちが「こういうことをやりたい」とアイデアを出して、それが実現する体験をさせてもらえればいいなと思います。
子どもたちの声は、きちんと大人に届いているんだよと伝えたいですし、夢へと向かう前向きな姿勢にもつながると思います。
山口
みんなの施設であるということを大事にしているあぐりの丘なので、高柳さんとも話し合いながら、子どもたちのいろいろな興味に、いろいろ対応できる場所でありたいですね。少しでも、以前に比べて「子どもと遊ぶ機会が増えた」、「休みの日の楽しみが増えた」と思ってもらえると嬉しいです。
取材日/2023年7月28日
※所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです。またソーシャルディスタンスに十分配慮した上で行なっています。