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夜景スポット

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〜「夜景スポット」〜

夜のお散歩スポット新定番!

この方にお話をうかがいました!

石丸太望さん・
彩さん夫妻

長崎で暮らす夫婦。二人とも東京に出ていたが、Uターンで長崎へ帰郷。現在はコロナ禍の影響もあってあまり出かけられていないが、以前はよく、二人で夜の散歩もしていた。

末石陽子さん

長崎市職員。夜間景観整備事業の担当となり2年目。市民や観光客のかたに、まちがライトアップされていることを知ってもらい、夜のまち歩きを楽しんでもらえるよう情報発信に取り組んでいる。

まちの個性を表現する「中・近景の夜間景観づくり」

末石
長崎は、世界新三大夜景や日本新三大夜景に認定されるほど夜景が美しいまちです。 そんな長崎の魅力をさらに高めようと、平成29年に夜間景観を向上させる取り組みが計画されました。「世界一の夜景都市」を目指しているんですよ。

太望
稲佐山からの夜景は有名ですよね。つい最近も行きましたよ。その時は昼だったんですけど。

末石
今は稲佐山から西坂方面を見ると、ハート型のライトが見えますので、ぜひ夜景も楽しんでください。
そして稲佐山からだけでなく、鍋冠山などからの夜景の魅力を高める「遠景の夜景みがき」を進めています。
世界一の夜景都市を目指していると先ほど言いましたけど、世界一の基準って色々あると思うんですね。美しい夜景っていろんなところにあると思いますし。その中で、私たちは「長崎ならではの夜景」を彩りたいと思っています。
すり鉢状の地形で立体的な夜景というのは、他の土地とは違う長崎ならではの景観ですよね。遠景からだと、その様子がよくわかると思います。
また、夜のまち歩きを楽しむための「中・近景の夜間景観づくり」にも力を入れているんですよ。地域のランドマークのライトアップや、それらをつなぐ道の街路灯などの整備を進め、市民や観光客のかたに、まちを歩いて楽しんでいただけるような取り組みを進めています。


私たちは結婚してから、夜によく散歩に出かけていて、出島や眼鏡橋、教会などがライトアップされていることは知っていました。さりげなくライトアップしているなぁって。
あと、散歩をしていると孔子廟だったり南山手だったり、寺町だったり。歩くたびにいろんな文化があることにも気づきましたね。

太望
知らなかった歴史上の人物の案内看板や、石碑などに気づくのも面白いですね。長崎出身なんですけど、まだまだ知らないことが多くて。そんな面白いものをもっといろんな人に知ってもらえるようになるといいね、と二人で話していました。

末石
おっしゃる通り、長崎にはいろんな文化がありますよね。私もこの事業に携わって改めて、長崎の文化って面白いと感じたんです。
「中・近景の夜間景観づくり」では、魅力的な長崎の歴史や文化を、知るだけではなく感じてもらいたいと考えているんですね。そのために、ライトアップも、それぞれ地域の特徴を表せるような灯りを目指しているんです。
華美に飾りたてるのではなくて、まちの個性を生かせる温かみを感じられるライトアップを目指しました。
なので、「さりげない」というお話は、日常に溶け込んだ灯りが実現できているのかな、と思えて嬉しいですね。

歴史的なランドマークのライトアップと日常的な灯りの融合で、地域の特徴を表現

末石
長崎の夜間景観をどのように演出していくかについては3つの大きな柱があります。
1つは、「港へ流れ込む輝き」。先ほど話したすり鉢状の地形を活かした輝きです。坂を少し上るだけで、港につながるまちなみが見えるなど、遠景だけではなく中・近景でも楽しんでもらえます。
次に、「おおらかに彩られたまち」。まちの個性を大切にして、多様な文化を感じとれるようにしています。
最後に、「祈りを誘う灯り」。これまで受け継がれてきた祈りの歴史に想いを馳せることも長崎ならではの感情ではないでしょうか。
JR東京駅丸の内駅舎やシンガポールの植物園のライトアップなども手がけられた、世界的な照明デザイナーである(株)ライティング プランナーズ アソシエーツの面出薫さんに監修してもらって、これらの輝きを実現しているんですよ。


シンガポールの植物園は知っています。すごいかたが演出した灯りなんですね。

末石
例えば、ライトを1箇所から当てるのではなくて、クロスさせることで影を消し合うとか。昼間は隠れて見えないように照明設備を設置するとか。光の表現の仕方や昼の景観にもこだわって整備しているので、きっと皆さん楽しんでいただけると思います。

太望
以前、西坂公園に行った時、少し暗いなぁと思ったんですよね。もっと明るくても良くないか、と。でも、それも敢えての明るさなんでしょうね。

末石
そうですね。西坂公園は「西坂・諏訪の森エリア」に分類されて、「愛と祈りと安らぎの光」をコンセプトにしています。
このエリアには、日本二十六聖人に代表されるようなキリスト信仰であったり、諏訪神社には氏神様が祀られていたり、「長崎くんち」にかける町人たちの熱意があったりと、様々な信仰や想いが集まっているので、祈りと信仰の想いに触れられるような空間にしています。

太望
意図を聞くと、なるほどと納得しますね。もう一回行ってみたくなりました。
他にもエリアや、光のコンセプトはあるんですか?

末石
はい。長崎の夜間景観づくりにはエリアごとにコンセプトがあって、それぞれのエリアの特色にあわせたライトアップを行っています。
例えば、「中島川・寺町エリア」は、「伝統と町を繋ぐ絆の光」がコンセプトで、眼鏡橋などの石橋やお寺の山門をライトアップし、歩いて楽しみながら「和」の表情を感じられるような空間をつくっています。


水面に映る光って素敵ですよね。ゆらゆら揺れて、止まっていない光が一層ロマンチックに感じます。

末石
眼鏡橋の上で、昼間に結婚式の前撮りをされているかたを見かけることがありますが、夜に訪れてみても昼とは違った眼鏡橋の表情が楽しめるかと思います。 また、水面に映る光でいえば、「出島エリア」もおすすめです。「歴史の記憶をたどる光」をコンセプトに、建物の中から漏れてくる光や白壁のライトアップで出島が水面に浮かび上がる様子から、まるで当時にタイムスリップしたかのような感覚を味わえる空間にしています。この中島川に映る出島がとても綺麗なんです。

太望
東山手なども雰囲気は良さそうですね。洋館群のライトアップはイメージがしやすいです。

末石
「東山手・南山手エリア」は、「居留地文化を育む光」がコンセプトですね。ここも建物の中からの漏れ光が見られます。直接目に入り、眩しいということがないように、通路を照らす照明を塀の下に仕込むといった工夫もしているんです。

末石
このエリアでは、大浦天主堂の裏手にある祈念坂にぜひ行ってみてください。坂を登ると、手すりに埋め込まれた照明が空間を明るく照らし、その奥には長崎港が見えるといった絶景スポットなんですよ。
また、「館内・新地エリア」は違った雰囲気が楽しめます。「華やかさと暮らしとが共存する光」をコンセプトにしていて、中国文化の華やかさとともに、心地いい暮らしの灯りも両立できるように工夫しているんです。

太望
大人な雰囲気から一転して、華やかな光もあるんですね。それだと、賑やかな感じもあって若い人たちも行きやすくなりそうです。

末石
他にも、「平和を希う光」をコンセプトに、清廉な白い光によって平和祈念像が浮かび上がり、思わず手を合わせたくなる「平和公園エリア」や、「路地の風情に誘われる光」がコンセプトの、まちの和の風情を感じてもらえる「丸山エリア」など、それぞれのまちの特徴が輝くエリアがあるので、ぜひいろいろなまちの表情を楽しんでください。

夜も歩いて楽しいまちなみ、市民に愛されるまちなみ

太望
まち歩きの楽しみ方として、「長崎さるく」がありますが、夜のまち歩きコースが充実してもいいですよね。


長崎はコンパクトなまちなので、エリアをまたがって楽しめるのも嬉しいです。
ここはこんな表情だとか、あそこはまた違った雰囲気だとか。目的地に行くまでの途中でまちの表情を楽しむことがあってもいいかもしれません。

末石
おっしゃるように、ライトアップが目的地であっても通り道であっても、そこを訪れたかたに、そのまちならではの雰囲気を感じてもらって、楽しんでもらえれば嬉しいです。
ライトアップにより、まち歩きの楽しさも向上したと思うので、まちに出向くきっかけの一つになればいいと思っています。


まち歩きの途中で休憩できたり、飲食ができたりすると、もっと行きやすくなると思いますし行動範囲も広がるんじゃないかなと思います。子ども連れでも楽しめそうですよね。

太望
私はお酒が好きなので、ライトアップされたまちなみや建物を見ながら、お酒が飲めるような空間があると行きたくなりますね。

末石
確かに、地域の飲食店と協力することで人が集まりやすくなると思います。
経済効果も期待できますし、交流も広がっていきますよね。「中島川・寺町エリア」や「館内・新地エリア」などはお店も多いので、食べ歩きのようなまち歩きを気軽に楽しんでもらえるんじゃないかと思います。
また、「お酒が飲めるような…」というお話ですが、「東山手・南山手エリア」では「バル街」という飲み歩きイベントを開催したりもしたんですよ。

太望
そういった見るだけでなく、食べたり、飲んだり、いろんな感覚で夜のまち歩きを楽しむのって、今までになかった楽しみ方ですよね。その背景だったり、雰囲気だったりをつくるのが長崎らしい夜景であれば、楽しい時間ももっと贅沢になりそうです。

末石
そうですね。あと、インスタ映えするスポット巡りというのもいいかもしれませんね。
SNSにアップされた夜景の画像は、他都市のものも含めてよく見ますが、中でも長崎の夜景は今日お話ししたように、ただ綺麗なだけではなく歴史や文化を感じられるような深い輝きがあって他とは違います。皆さんにどんどん発信してもらいたいですね。
そうやってつながっていくことで、地域はもっと賑わっていくと思いますし、地域のかたにとっても誇れるまちになっていくのではないでしょうか。
日常的な灯りを活かすとともに歴史的なランドマークのライトアップも通して、歴史を感じ、文化を感じ、日常を感じていただければと思います。

取材日/2021年3月4日
※所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです。またソーシャルディスタンスに十分配慮した上で行なっています。

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